「BLを好きな理由」を考察して変わったこと

「私はどうしてBLが好きなのか」を深く考察できたことは、私にとって大きな転機となりました。

まあ、他人にとっては正直なところ「私がどうしてBLを好きか」なんて全くどうでもいい話かもしれないんですけど(笑)。

それまでの私は、いつも何となく、自分の心や体が空っぽな感じがしていました。それもそのはずです。自分が何かをとても好きなことは確かなのに、その理由がわからないというのは実際とても変な感じですよ。今書いていて思ったんですが、これって恋に似ているかもしれませんね。あの人のことを好きで好きでたまらないことは確かなのに、理屈ではそれがなぜなのかよくわからない。でもその人なしでは人生が全く空虚に思える−−−−。

好きなBL作品について「なぜ好きなのか」が理解できたら、それがどうなったかというと、その空っぽな感じがなくなったんです。空っぽではなくて、何かが「ある」って感じになったんです。何が「ある」んでしょうか?それは多分「自分の芯」みたいなものです。失っていた自分自身を取り戻したような感じと言ったらいいでしょうか。

ビックリでしょ?!

それだけじゃなく、終わってしまった恋についての未練や執着心も綺麗に解けてなくなりました。

そしてその新しい状態で、恋愛をしたり人と関わったりするのって、それまでとは一味も二味も違う感じになったんです。

BLを読む体験って多分、女性の人生にとって数少ない「性的な欲望を人から(作品から、作者から、他の読者から)純粋に応援してもらえる機会」だと思うんですよ。

どのような欲望を持とうが、それについて「いい」とか「悪い」とか、社会的にジャッジされることなく、ただ単に「私にはこういう欲望があるんだ」ということを知ることができ、「こういう欲望があってもいいんだ」と確認することができる機会。

さらに、性的な欲求だけでなく、性に関する傷つきや、その他の感情についても「こういう思いを自分はもっていたんだ」と気づくことができ、その思いを大切にすることができるようになる。

BLについて考察する前の私は、性に関するいろんな傷つきや体験を言葉にしていなかったので、それらの体験が自分の意識と繋がっていなかったんだと思います。決して記憶を失くしていたわけではないのですが…。

「どうしてBLが好きなのかわからない」という方は、手前味噌ですが、私の書いたものを参考に一度考察してみるのはいかがでしょうか?もちろん、私とあなたがBLを好きな理由は少し違っているかもしれないし、好きな作品ごとに違う理由があるとも思いますが。

もしかしたら、思いがけない素敵なものに出会えるかもしれませんよ!

訪問して下さった方へ

そろそろ投稿整理しないと分かりにくいですね(⌒-⌒; )

私はこちらのwebsiteでの発信を、今後二つのラインでやっていきたいと思っています。

一つは、女性にとってのBL存在意義を、歴史の中で、また女性の個人史の中で心理学的に分析し、仮説を構築するライン。

もう一つは、大人の女性として、「性」について分かりやすくポジティブに発言していくライン。

サイトの体裁を整えるのに少し時間がかかると思いますが、貴方のお好きな方を読んでくださると嬉しいです。

著者インタビュー1 伝えたいことは?「黒子のバスケ」の逆とは?

 友人でカウンセラーのY.K.さん(女性)に、私がこのエッセイを書いた動機についてインタビューしてもらいました。

−−この作品で真名さんが狙ったのはどんなことですか?

……そうですね。一言でいえば、ボーイズ・ラブ(以下BLと略す)愛好家とそうでない人の架け橋になることでしょうか。

−−具体的にはどういうことですか?

BL愛好家がBLを愛する奥深い動機を、愛好家でない人にも分かりやすく、面白く伝えてみたいと思ったんですね。

−−それはかなりビックリですね(笑)。なぜ、それをやってみようと思ったんですか?

いつだったか、はっきり覚えてないんですが、「『黒子のバスケ』がどうして腐女子に人気があるのか」を考えてみたことがあったんです。
※『黒子のバスケ』は『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載された藤巻忠俊作のマンガです。
『黒子のバスケ』は大ヒットした少年マンガですから、もちろん色んな層に訴えかけるものがあったと 思うんですよ。「イケメンの登場人物が多いから」という説もありますが、私はもっと別の側面があると思っていて。

−−それはどんなことですか?

主人公の黒子が、体格的に劣っている部分とか、存在感のなさとか、非力さといった色んなハンデを背負いながら、それを逆手にとって、オンリーワンの存在として活躍するわけですよ。

−−それはそうですが、それと腐女子がどうつながるんですか?

これは、BL愛好家(腐女子)としての私の主観なんですが、黒子が大好きなバスケをやり続ける中で直 面する劣等感や屈辱や不安、それから、決して諦めず心に抱き続ける夢と野望、そして目標を達成した ときの喜び、そういったものが、女性が生きて行く上で感じる不安やその他の感情と通じるものがあっ たからだと思うんです。

もちろん女性であることについて特に違和感や不安をもたない女性もいるでしょう。しかしこの作品 は、女性だけでなく、色んな形のハンデを抱えた人の心に訴えたと思っています。

−−なるほど。

しかも、ハンデを乗り越えるために、自分の努力だけで何とかしようとするのではなく、パートナーと の深い信頼やチームワークで乗り越えていきますよね。そういった部分も女性の生き方と重なる部分が あるんじゃないかと感じています。
だから、この主人公は、私のような女性にとって、自分の不安や希望を重ね合わせることができる格好 のキャラクターだったんだと思うんです。しかもかわいいし(笑)。だから、女性にとって、「フィク ションの世界で黒子くんになってみたい」、「その世界で男性とセックスしてみたい」っていうのは、 ある意味自然なことだと思うんですよ。

−−大分わかってきました。

さらに言えば、思春期に、男性と性的な関係を持つということについて、不安や恐れを感じたことのあ る女性はたくさんいると思うんです。しかも多くの場合、それについての欲望や夢も女性は持ってい る。それは正に、バスケに対する黒子の立ち位置と同じです。そして、その不安を、ちょうど黒子がバ スケで成し遂げたようにして乗り越えていけたら−−、そういった願望があるんじゃないでしょうか。

−−ああ…なるほど−−。で?それが真名さんのエッセイとどう繋がるんでしょう?

私はこの逆がもしできたら、面白いんじゃないかと思ったんです。

−−「逆」というとどういうことですか?

えーとですね。誰もが合意できる現実のレベルでは、男性である「黒子くん」の悩みと今言ったような 女性の悩みとは、別物と言えます。しかし今説明したような共通点を感じとる人もいるわけです。彼女 たちは現実には自分が女性であると認識しているわけですが、一方では「自分は黒子である」という夢 を見ているのです。
※この説明にはアーノルド・ミンデルが提唱したプロセスワークの「現実の三つのレベル」の概念を使 用しています。
こんなふうに、人に夢を見させることができるのが、フィクションの力、芸術の力、という風にも言え ると思います。つまり、読者にとって現実的には自分と共通点がないようなキャラクターに感情移入さ せることができるわけです。そして、その体験を経た読者は、以前と違った目で現実を見るようになる かもしれない−−というオマケ付きで。
※BL愛好家の女性が黒子以外の男性キャラに感情移入する場合もあると思いますが、ここでは話を単純 化しています。
で、問題はこの「逆」です。 BL愛好家である私が、自分がBLを愛する理由を心の深層にまで降りて行って掴み取るとき、その本質は、BL愛好家でない女性や、男性にも通じるのではないか、ということです。 私はシンプルにその可能性を信じてみることにしました。

(つづく)

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( #黒子のバスケ #BL )

 

自分で自分のことを「性的なことで傷ついている」とは思っていないあなたに贈ります。

出版準備中のエッセイは、「BLが私の性的な事柄に関する自己愛の傷つきを癒してくれた」ということをメインテーマにしていますが、正直言って、私も最初は「自分が傷ついている」などとは少しも思っていなかったのです。

第一「自己愛が傷ついている」なんて考えてみるだけで、なんか傷つく感じがしませんか(笑)?

−−−まあ、そんな具合でした。

ではなぜ「傷ついている」と思うようになったかというと、BLを読んでいて、感動したり、癒されるポイントがあったときに、「どうして私はこのポイントで癒されるのだろうか?」という理由を突き詰めていって、その結論に行き着いたのです。

私の場合、自分でも普段はほとんど自覚していないようなセックスについての願望とか、性的なことに関して誰かに言いたかったこととか、とにかく何か自分自身で無意識に押さえ込んでいた感情や行動が、登場人物を通じて言葉にできたり体験できたときに−−−ああ、こんなにも心が動くものか−−−ということが多かったのです。

私も薄々自分が傷ついていることはどこかで感じていたような気もするのですが、そのことにはっきり気がついて言葉として認識したり、自分の願望を「意味がないこと」として「無かったこと」にするのではなく、現実の人間関係の中で実現可能かどうかはちょっと脇へ置いておいて、自分の願望を大切にする、その存在を認めるという気持になるだけで、ただBLを読んでいたときよりも根本的に癒される感じがしたのですね。

さらに、その傷つきについて言葉にしてシェアしてみたところ、BL愛好家でない多くの女性の友人からも、「同じ思いを抱えていた」という声をもらうことができ、お互いに癒される、という思いがけない嬉しい展開になりました。

ですから、BL愛好家の方もそうでない人も、私のエッセイを読んで癒されてくれたらとても嬉しいです。

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